沢山のアーティストが集まって行われる音楽フェスティバル。この手のイベントでよくあったことで物申したいことがある。

特にSUMMER SONICといった洋楽メインのフェス、更にその中でもLOUD PARKの様なメタルに特化したフェスでよくこんなことがありがちだった。
フェスに対して「理想のラインナップになるまで行かない」という考え方。出演者の8割9割ぐらい自分の好きなアーティストじゃないと行く気にならない、といった感じ。
僕はこのことに対して「その考え方は今後一切やめましょう」と言いたい。この考え方、実は凄く悪影響である。
何故そう言えるのかを解説していく。
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◆どんどんプロモーターの財力が無くなっていく

「理想のラインナップになるまでフェスに行かない」というのは次回開催したときは理想のラインナップを組んでくれることを望んでいるわけだが、ここでまずツッコミどころ。次回も開催してくれるという思い込みが既に大間違い。
継続させるというのは物凄く大変なことである。これを当たり前と思い込んではいけない。次回をやってもらうには今回を成功させないといけない。理想のラインナップにしてくれるまでフェスに行かない人はこれが頭から抜けている。今回が成功しないとイベントでもなんでもそこで打ち切りになる。今回を行ってない人間が次回を期待するなんて筋が通ってないではないか。
このことは過去にこちらの記事でもガッツリと語ってます。

次があって当然の前提で話をする人はクリエイティブマンプロダクションの清水直樹社長のこの発言をしっかり胸に刻みつけていただきたい。
コンサートというのは『今回は行けなかったけど、次がある』というものではないんです。それはコロナ禍でなくても同じことで、アーティストたちはあと何年パフォーマンスできるか、常に覚悟を持って活動しています。
↓ソース

そもそもフェスというのはボランティアじゃない。れっきとしたビジネスである。ビジネスということはお金を使うことになる。出演者はギャラ、お金を払って呼ぶことになる。なのでフェスを開くコンサート・プロモーターが財力を持たないといけない。
それがLOUD PARKの様な日本のメタル系フェスだと理想のラインナップになるまで、自分の好きなメタルバンドが大量に揃わないとチケットを買わない人間が多かった。それだとプロモーターがいつまで経っても財力を持てない。「このアーティストを呼んでほしい」なんて要望をいくら出しても財力が足りなくて呼べぬまま。それどころかフェスの開催自体無くなってしまう。現にLOUD PARKは2018年に開催を見送ってしまった。

理想のラインナップになるまで待つというのは逆効果。そんなケチ臭いことをやればやるほど理想のラインナップが遠のいていく。だからフェスなんてのは自分の好きなアーティストが一組でもいれば行くぐらいの熱意を持たないといけない。
フェスに対して「ラインナップが弱いから行かない」なんて人間を僕は何人も見てきたが僕はそんな人間に対してそれはラインナップが弱いんじゃなくてあなたの熱意が弱いんですと言ってやりたい。
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◆理想はラインナップ発表前にチケット完売

フェスは自分の好きなアーティストがいる時点で行くべきというのは必要最低限の心意気で願わくばもっと高みを目指したい。
それはラインナップを見ずともチケットを買うという心意気。
人気の高いフェス、例えばグラストンベリー・フェスティバルなんかはラインナップが発表される前からチケットが完売したりする。誰が出るか知らない状態でもチケットを買う人間が何万人といる。

僕はそれを見て思った。世の中のフェスはみんなこれを目指すべきだと。まあ実際のところラインナップ発表前にチケットを売り出すフェスというのは限られてはいるが、それぐらいの心意気は持たねばと思う。

ラインナップ発表前にチケットを買うと言うと
「誰が出るかもわからないフェスのチケットを買うなんて博打じゃないか」
「それで自分の好きなアーティストが全然いなかったらどうするんだ」
なんて思ったりするだろう。だがしかし、よく考えてみてほしい。
そんな早々とチケット完売するってことはプロモーターには凄い財力がある。となれば大量のアーティストを呼ぶことができる。メタル系フェスだったらこんなレベルのラインナップを組むことが可能になる。
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これだけのアーティストがいて自分の好きなアーティストが全然いないなんてことはまず起こりえない。理想のラインナップになるまで待つよりも、みんながさっさとチケットを買う方がよっぽど理想のラインナップに近づけるではないか。財力があれば残る課題はもうアーティストのスケジュールが合うかだけになるのだから。

だから僕は言う。フェスは自分の好きなアーティストがいる時点で行くべきというのは必要最低限の心意気、目指すはラインナップ発表前にチケット完売だと。

LOUD PARK復活を望んでいる人ならば、いざLOUD PARKが復活したらこんな毎回ラインナップを見ずともチケットを買うぐらいの熱意を持たないといけないだろうに。当然だろう。散々「LOUD PARK復活してほしい」と言っておいて、実際に復活したら行くかどうかはラインナップ見てから決めるなんて己の発言に全然責任を持っていないではないか。そもそも失ったものを蘇らせたいというのが凄く贅沢なことであって、軽い気持ちでそんな大そうな願い事をするのは甘ったれている。
ましてやこの期に及んで未だにメタルフェスによくありがちだった「アイドルいるから行かねー」「日本のバンド多いから行かねー」なんて文句を言う人間なんて余りにもナメ過ぎてて論外だ。こういうのが何よりたるんでてだらしない。


フェスを開く方も人間である。自分がLOUD PARK復活を望むのならLOUD PARK運営の望みも叶えてあげるのが筋ってもの。その運営の望みというのがBURRN!誌2015年11月号の33ページに記載されている。
BURRN! (バーン) 2015年 11月号
シンコーミュージック
2015-10-05


青野氏(LOUD PARK総合プロデューサー)が目指しているのはラインナップに頼らないフェスだと言う。
「“今年も『LOUD PARK』あるんだ、じゃあ行こう!”と言ってくれるような、メタル・フェスとして日本に定着したものにする、それを目標にしています」

LOUD PARKをやると言っただけでLOUD PARKに行くと決める、上述のグラストンベリーの客みたいにラインナップ関係無く絶対行くという熱意のある人達で溢れかえることを目指しているわけだ。
僕はLOUD PARKが無くなったとき、どうやったら日本でメタルフェスが成功するか、新規客を取り込むにはどうしたらいいかとか散々考察して語ったりしたが、これが可能になればわざわざそんなこと大して意識する必要も無くなるのではないか?みんながこういう考え方になれば、さいたまスーパーアリーナで土日の二日間ぐらい毎回確実にキャパが埋まるだろうに。その程度のレベルのメタルのファン人口なら既に足りているだろう。

現実的に考えて今はLOUD PARKでもなんでもイベントが出来るかどうかはコロナがどうにかなるかが第一条件にはなるし、LOUD PARK復活の可能性があるのかどうかもさっぱりわからない状態ではあるが、フェスをやるならとにかく何がなんでも足を運ぶ熱意を持つようになるべきだ。

LOUD PARKでもDOWNLOAD JAPANでもまたやれる日が来るのなら、自分はラインナップ関係無しに絶対に行きます。そうなったら僕としては出来ることならラインナップ発表前にチケット売り出してくれることを希望する。そして販売開始したら直ぐさまに買いに駆けつける。本気でメタルを愛してるならメタルフェスに対してこれぐらい当たり前に出来ます。





ラウド・パーク'08 〜Vol.1
オビチュアリー
ROADRUNNER JAPAN(W)(M)
2008-09-24

ラウド・パーク08 VOL.2
マリリン・マンソン
USMジャパン
2008-10-15